-------------------------------------------------- PBeM『VOiCE』第4回リアクション 04-X 夏は幽霊の帆をあげて -------------------------------------------------- ●意味がわかると怖いかもしれない話  花音ね、お姉ちゃんのクラスの友達から聞いたことがあるのよ。  夜に、怖い話を百個話すと、本物のお化けが出てくるんですって!  花音ひとりじゃ、百個も話せないけど、みんなで話せばあっという間に足りちゃうと思うの。  ねえ、どうかしら?  せっかくのサマーキャンプだもの、夏だもの、怖い話だってたまにはいいわよね。  ひとりだと怖いけど、みんながいれば本物のお化けが出てきたって怖くないわ。せっかくだから肝試ししちゃえばいいのよ。だって本物のお化けが出てくるんだから。 「……その夜、誰かが扉を叩く音がしたの」  こんこん 「そう、こんな風に……え?」  こんこん 「はいはい、お嬢さん方。もうそろそろ寝ないと、お肌に悪いわよ」  ……結局、話してる途中で部屋に来た、見回りの四季先生が、一番怖かったわ。  次の日、起きたらびっくりしたわ!  本当に幽霊が出たんですって!  それも、ちょっと前に学校で出たのと同じって……自分の夢を答えられないと、あの世に連れて行くっていう、噂になったあの幽霊。  いよいよ本当に肝試しができるんだわ!  ……って、花音はそう思ったんだけど、トップバッターの鈴香ちゃんと千鳥ちゃんしか、その幽霊は見れなかったの。  花音たちの番には、別に何にも起こらなかったわ。まあ、たしかに暗くて怖かったんだけど……百物語って迷信だったのかしら?  あーあ、残念。